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I love B

執筆者の写真: 井上大辅井上大辅

今月のブログは、The Beatlesを聴きながら書いている。


中学の頃、軟式テニスの幽霊部員だった私は、学校が終わると直帰して昼寝ばかりしていた。昼寝が好きだったわけじゃなく、クソつまらない中学生活から逃げたかった。控えめに言ったとしてもクソがつくほどにつまらない生活から。


ある日、The BeatlesのCDを家の中で見つけてしまった。Help!というアルバムだった。親がロックを聴いてる印象はなかったが、家の中でThe BeatlesのCDを見つけた。訳詞はついてなかった。なんとなしに聴いてみたら、ものすごく格好良かった。何かを格好いいと感じたのは、あれが初体験だったかもしれない。Helpはもちろん、You've Got To Hide Your Love AwayとTicket To Rideもめちゃ格好いいと思った。


それをきっかけにThe Beatlesにぐんぐんのめり込む。アルバムを聴き漁り、Let it beのジャケットのポスターを部屋に飾る。帰宅して昼寝というルーティンが、帰宅して熱唱というルーティンに変わった。幽霊部員なのは変わらず。The Beatlesというバンドのキャリアにも、彼らそれぞれの人生にも惹かれた。The Beatlesは、私の10代の一部分を占める。


しかし、20代の私はThe Beatlesを意図的に避けていた。その頃は、ダンスに“使える”音楽ばかりを探していた。The Beatlesの曲は認知度が高く、曲の持つイメージが強すぎて、ダンスには邪魔になると考えていた。そこから自然と聴かなくなった。


The Beatlesの曲は、いろんな感情を湧かせる。それに、どの曲からも生きづらさを感じる。The Beatlesが醸す生きづらさに浸ることこそ、中学生の私のThe Beatlesの味わい方だった。彼らの音楽は、生きづらさの良き理解者だった。


生きるのはとても難しい。20代の私は、中学生の頃に感じていた生きづらさを押し潰し、蓋をしながら生きていた。今年、Johnが凶弾に倒れた年齢を迎える私は、この生きづらさから目を背けないことにした。


ダンスはそのためにある。私は私自身のダンスによって、生きづらさに抗い、寄り添おうと思う。NYでダコタアパートに行こうとしたが、建物の近くまできて足がすくみ、遠巻きにしか眺められなかったことを思い出す。

The Beatlesは、私のダンスの良き理解者にきっとなってくれるはず。

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