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50億年後の恐怖、数十年後の絶望

執筆者の写真: 井上大辅井上大辅

さまざまな分野で若い人が活躍している。

自分が小学生や中学生だった頃と比べる。

自分はただのポンコツでしかなかった。


グレタ・トゥーンベリさんの活動にはとても注目している。注目しているなんて上から目線の表現では失礼な気さえする。

グレタさんは学校で気候変動のことを知ってから、鬱になり、発作を抱えるようになってしまったそうだ。「近い将来、地球は滅びるのに、学校に行く必要があるのか?」という苦しみ、そして怒りを、ボイコットするという手段で表現した。その活動が世界中に知れ渡り、現在では環境活動家として世界を牽引する存在になっている。

自己利益にしか興味の持てない人間(大人)ほど、グレタさんに対してムキになってキャンキャン吠える。その人間(大人)たちは、グレタさんと対峙すると駄々っ子に見えてくる。グレタさんたちの世代から見ればただの老害だ。老害が本当に面倒臭いということは、自分も幾分か経験してきた。

グレタさんは「大人たちが私たち子どもにできるせめてものことは、大人たちの無策に抗議する私たちの行動を許すことだ。」と、大人たちに対して語っていた。


グレタさんから見れば、私もその大人の中の1人だ。

私はグレタさんに怒られている。グレタさんに睨まれている。


私がグレタさんと同じ歳だった頃も、地球温暖化については問題視されていた。オゾン層の破壊、南極・北極の氷が溶け始めていることは、方々で言われていた。

さて。

長らく話題になっている気候変動に対して、私の両親は何か対策していたのだろうか。大人たちは何か行動しようとしていたのだろうか。世界中の色んな問題は、ほとんどが過去からの蓄積によって起きている。大人たちは何も対策してこなかったのだろう。そして、いつのまにやら私も、その大人たちの1人になってしまっている。


グレタさんについて書かれた記事を読んだ時、思い出したことがある。

私が小学生の頃、太陽があと50億年で消滅すると授業で知り、怖くてしばらく眠れなくなってしまったこと。50億年という遥か未来のことだったが、いずれ世界が無くなるという事実に恐怖を感じた。

グレタさんが感じた絶望はそんな50億年先の話ではない。ほんの数十年先の地球の話だ。


おじさんになった私だが、やるべきことはクリアだ。グレタさんが言うように、私にできることは彼女・彼らの邪魔をしないこと。できることなら力を貸したい。

私がグレタさんと同じ歳だった頃の、あの頃の大人たちのようになってはならない。

身を賭して発せられるメッセージは、大人も子どもも関係なく、すべて等しく重大に受け止められるべきだ。それを受け止められる人間でありたいと強く思う。






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